このサイトでは、具体的なやり方(方法)を簡潔にお伝えしたいと思っています。
しかし、その方法を使う背後には、「何のために」その方法を使うのか、という考え方があります。
私は TEACCH を1997年から、ABA(応用行動分析) は1994年頃からポツリポツリとつまみぐい的に、PECS®については2003年にアンディ・ボンディさんの講演を聞き、おめめどう®の人たちとは起業前からやりとりをしてきました。その中でこういうことのためにやっているのだな、と強く思うことがありました。
「まずはこれを見て落ち着こう」でお話してくださっている内山登紀夫先生は、アメリカの TEACCH 部での長期研修から帰る時に、ディレクターのジャック・ウォールからこう言われたそうです。
「お前は構造化(見てわかるようにすること)の力を知っただろう。
気をつけろ。
パワーの使い方に気をつけろ。
構造化は気をつけないと見えない檻になるぞ。
TEACCH の基本はヒューマニズムなんだ。
自閉症の子ども・大人の自己実現を大切にすることなんだ」
かつては「周囲の思うように相手を変えよう」というふうに考える方もおられましたが、現在は「相手を変えるなら自分も変わならければ」「相手を変えるなら環境を変えなければ」と考えて関わろうとするように変わってきています。
取り組みの最初に徹底的に、ご本人の好きなもの、好きなこと、やりたいことなどを探します。最初から「本人中心」で出発します。
「うちは単なるグッズ販売屋です」と言いつつ、それらの支援グッズを使う時に「本人中心」「仲間はずれにしない」ということを大切にしています。
これらの「方法の背後にある考え方」を忘れると、方法を使っても、無意味になったり使えなかったりしてしまいます。