視覚的支援について
「そんなことしてると、書いたりする物や必要なカードが無かったら困る人になるでしょう?だからそんなことやめてください。言葉(音声言語)でわかるようにしてください」
と言われる方は一定数おられます。
しかし、普段から的確なやりとりをしていたほうが音声言語の理解も良くなることが多いです。音声か、身振りか、カードか、メモか、などの形態ではなく、「的確に伝えられる、伝えてもらえる」というのがコミュニケーションにとっては大事ですし、お互いに伝わった実感があれば、よりコミュニケーションしようとし始めます。
まあでも、メモ帳にしろ、カードにしろ、整理してすぐ取り出せるようにしておくにはいろいろ工夫が必要です。ここではそんな工夫の一部をお知らせします。
家の中で
メモ・カードなどをすぐに取り出せるようにするのは、ご本人にとって重要な情報、カレンダーやスケジュールなどが置いてあるところに一緒に置くのが便利です。そういう場所を「トランジションエリア」と呼びます。
トランジションエリアに、100均などで売っている「ウォールポケット」をつるし、そこに入れています。
荷物をかける「フック」に「クリップ」をつけています。
壁かけ式のものです。「A4 SORTED」で検索して頂くと、Amazon などで売っていますね。
じゃばらになっている書類入れです。
「ドキュメントファイル」と呼び、これは文房具店や、やはり通販でも買えます。
しきりのついたアクリル。本立て用に作られたものでしょうか。うまくいけば100均に売っているかもしれません。
これは普通の箱に縦置きですね。裏に厚紙とタブ(見出し部分)をつけておられるのかな。
壁かけ式のYシャツ入れ、ですね。
家の外で
家や学校や福祉事業所の中だけでなく、外に出た時も視覚的支援は必要です。そのための工夫の一端です。
B6サイズのクリップボードにペンと、数種類のメモを直接はさんだもの。一番シンプルですね。
無印良品のサコッシュ。中にやはりB6クリップボードと一緒に入れています。
キングジムのオレッタという、紙類をはさみ込むものを使っている方もおられます(画像はリンク先でご覧ください)。
おめめどうの公式ポーチです。やはりB6クリップボードを中に入れて使っておられます。
これは、私が行動援護(強度行動障害児者へのガイドヘルプ)をする時や、自閉スペクトラム症の方にお会いすることがわかっている時に持って行くポーチとその中身です。
一番左側にあるのは、携帯ホワイトボードで100均で買いました。これを下敷きにして、いろいろ書いてます。
また地域の電車、バス、いろいろな施設の写真カードも入れています。
普段は上のポーチは持ち歩いていませんが、外出時は必ずA4サイズのクリップボードと紙をリュックの中に入れ、3色ボールペンをいつでも取り出せるようにしています。
普段からコミュメモを書き慣れていると、相手の方に合わせて書くことができるようになります。ただし、それはかなりの応用編ということになりそうです。
まずはコミュメモで、書き方をしっかり身につけるのが早道です。