※このページは教師や支援者用かもしれません。

 AFIRM で EBP(根拠ある実践)とされているものは、ある局面の指導技法といったものから、パッケージされたプログラムまでいろいろあります。

 その中に ABA(応用行動分析)という項目はないのですが、ABAに基づいていたり、ABA で大事にしているものがたくさんあります。そういったABA関連項目と、それ以外を私の独断(不勉強なのに!)でわけてみたいと思います。なお分類するのは「根拠に基づいた実践講座」と「補足講座」の中から。

ABA に基づいたり、関連したりするもの

根拠に基づいた実践講座から

補足講座から

  • 絵カード交換コミュニケーションシステム(PECS®)
  • ピボタル反応訓練(Pivotal response training : PRT)
  • 台本,スクリプト(Scripting : SC , プロンプトとフェーディング込み))
  • 構造化された遊びのグループ(Structured play groups : SPG)

 

ABA に基づくとは言い難いもの(いろいろな局面では使っていても)

  • 拡大代替コミュニケーション(Augmentative & Alternative Communication : AAC)
  • 感覚統合(Ayres Sensory Integration : ASI®)
  • 直接指導(Direct Instruction : DI)
  • Exercise(運動)
  • 音楽療法(Music-Mediated Intervention : MMI)
  • 親による介入(Parent Implemented Interventions : PII)
  • 友達を介した指導と介入(Peer-mediated Instruction and Intervention : PMII)
  • 社会物語、ソーシャルストーリーを含む(Social Narratives : SN)
  • ソーシャル・スキル・トレーニング(Social Skills Training : SST)
  • 機器を使った指導と介入(Technology-aided Instruction and Intervention : TAID)
  • 動画で見本を見せる(Video Modeling : VM)
  • 視覚的支援(Visual Supports : VM)

 

※ABA(応用行動分析) が技法名としては確立させているものは「ABA に基づく」に入れました。たぶんいずれの技法(このサイトで取り上げていないものでも)でも、「いや、うちも使っているよ」というものは多いでしょう。特に意識してるかしてないかはわかりませんが、「強化」や「待つ」はよく使うでしょう。ABA は、行動分析(なぜこのような行動をするか)を応用したものなので、全てに関わる、あるいは一応の説明はできる(その人ができるかどうかは別として)と言ってもいいでしょう。

※「うながし」も多くの技法が無意識にでも使っているけれど、ABA は「うながしを抜いていく(フェーディング)」まで考えていることが重要か。なお ABA ではプロンプトフェーディングのための重要な技として「待つ」を入れているようです。

※視覚的支援も ABA でも使われますが、プロンプトと考えられることが多いようです。TEACCH 的とかおめめどう®的に考えるとそれ以外の部分も多いと思います。

※ABA で言う自己管理(セルフマネジメント)は、TEACCH では自立課題学習として学ぶ分野を拡張した概念と思われます。範囲が狭い分、学ぶのは自立課題学習から学ぶのが簡単に思えます。そして TEACCH は自立課題学習からそれを暮らし全体に広げていくわけですが。実際、ABA でセルフマネジメントをテーマとしている論文で、私から見ると「これ、自立課題学習をやっているな」と思えるものがあります。

※認知行動療法(CBI)を ABA に基づくと言っていいものかどうかは悩みますが、ある方が「CBI は総合格闘技だ」とおっしゃったのが腑に落ちました。