見てわかる物を使ってわかってもらったり、意思表示にも見てわかる物を使ってもらったりすることを、視覚的支援と呼びます。これらについては、下記のものが大きくかかわってきます。

TEACCH

 自閉スペクトラム症の特性から考え、それ以前の支援方法を取捨選択し、視覚的支援を最初に強く主張したのは TEACCHだったと言っていいでしょう。

おめめどう®

 丹波篠山の奥平綾子さんが、ご自分の息子さんのために「㈱おめめどう」を起業し、支援グッズを作り、使い方のセミナーもやっておられます。
 樋端佑樹Dr. の「TEACCH を実現するためのおめめどうグッズ」という言い方は的を射ているなあ、と実践していて思います。

PECS®

 ABA(応用行動分析)を基盤としている PECS は意思表出(表出コミュニケーション)を教えるうえで非常に有効と思えます。

 ABA は人間や動物の行動全般に関することなので、特に「視覚的支援」がどうのこうのということではありません。しかし自閉スペクトラム症の方への根拠ある実践法として「AFIRMにある根拠ある実践」の中に、多くの ABA として精緻になってきた方法が入っています。

 また、これは日本が誇っていいところだと思うのですが、アメリカではもともと ABA の実践家から批判的に 「TEACCH は ABA と認知心理学のええとこどりじゃないか」と言われていたそうですが、日本では2000年頃から先端的な行動分析家の方が TEACCH のやっていることを取り入れていかれたように思います。

 形だけのええとこどりは役にたちませんが、どれかひとつをある程度深くやってからだと、ええとこどりもいいのじゃないか、と思います。